2007年09月17日

先入観による味の違い2

昨日の続きです。
以前もこのブログで書いたかもしれませんが、ちょっとお付き合いを。

あるお客様とお話をしていた時のお話です。当店で販売しているある食品の話なのですが、周りの包装(といっても普通の包装ではないのですが)の色が違うものが2つありました。そのお客様は味が違うといいます。

中身はどちらも同じものが入っています。それではなぜ違うと感じたのでしょうか。1つ考えられるのは、食べた時期が違かったのかもしれません。この食品は、熟成をする品なのです。(ここまで書くとこの食品が何なのかわかった方もいらっしゃると思いますが)

したがって熟成によって味わいが違った。これもありえると思います。もう一つは、表題に書いた先入観によるものです。中が違うものだという先入観です。

私の若かりし頃、私が習っていたソムリエにある意地悪な出題をされました。AのグラスのワインとBのグラスのワインを出されそれぞれどんな違いがあるか言えというものでした。私も含めてそこで習っていた人すべてがAはどうのこうの、Bはどうのこうのと言っていたのです。

ところがこのAとBのワインはどちらも同じものだったのです。ヴィンテージ、開栓してからの時間も同じでグラスに注がれたものだったのでした。ところがどっこいAのワインとBのワインの違いを香りから味も言っていたのでした。

このことは、はじめからAのワインとBのワインは違うものだという先入観が招いた結果だと思います。人間は違いを探そうとするのですね。Aで感じた香りと味もBで感じた香りも味もどちらもこのワインはもっていたのだと思います。しかし違いを探そうとするあまり違ったワインになってしまう。ほんとに難しいですね。

真っ白な気持ちでみたり食べたりする事の出来る子供のほうが、しっかりとした味を見ることが出来るのかもしれません。

posted by masa110 at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒類全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック