みりんは、もち米と米麹に焼酎を加えて糖化だけをさせて作られるお酒で、製造の分類的にはリキュールなどと同じ混成酒になります。
みりんは、ほとんどの方が調味料としての位置付けをされていると思いますが、元来飲み物として生まれた品です。みりんが誕生したのは、焼酎がベースになっていることから室町時代末期の戦国時代ごろといわれています。昔は甘いもの自体が貴重で、ましてや甘い状態で日持ちがする物は、かなり重宝がられたのではないかと推測されます。調味料として使われだしたのは、江戸時代後期頃で、うなぎのかば焼きのたれに使われたのが初めてといわれています。
戦後、急速に調味料としてのみだけ広がり、のみものとしてのみりんはすっかり忘れ去られてしまいました。その原因の一つは、早く大量に造られるようになって、みりん本来の味わい深さがなくなってしまったことがあると思います。
今回ご紹介する2種類は、しっかりと熟成させる本来の造り方で造られた品です。それぞれ目的の違いも味に鮮明に出ていて面白いです。
福来純 三年熟成本みりん
自家製のコメ焼酎をベースにして、90日を経てフネで搾られたみりんを3年間静かに熟成させます。搾ったばかりの時は、透明で甘めの焼酎みたいですが、3年の時とともにこの黄金色ととろみが出てきます。通常流通している本みりんの半分以下の量で充分な旨味とコクと照りが引き出されると思います。料理が腕が上がったと思うぐらいの違いがあります。
磐城壽 本みりん黄金蜜酒(コガネミツザケ)
磐城壽の酒粕から造った粕取り焼酎をベースにして、飲む用にと造られた本みりんです。飲むことを目的としているため熟成もやや少なめの1年半です。自家製の粕取り焼酎の製造もかなり考えられていて、そのためもあってとても上品な甘さと行き過ぎない甘さがとても心地よい味わいです。もちろん、料理にお使いいただいてもとても良いです。みりんの製造免許は東北では珍しいです。カクテルのベースとしても良いです。大介さんのおすすめでこのお酒にレモン果汁、炭酸を入れると凄くおいしかったです。
2018年07月24日
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